研究談話会

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教養教育センターは、多様な学問分野の研究者で構成されています。この研究談話会は、当センターの教員が中心となり、異分野間の学術的な相互理解と教養教育に必要な発信力・教養力を高めるために、文理の垣根を越えて学内向けに開催されるセミナーです。

鈴木 浩司(植物学,植物系統分類学) 生物学関連科目を担当。生物学の講義・実験を通じて、生きものの本質、科学的なものの見方を教えています。専門は植物学。最近は、後世に残すべき希少な植物の保全にも力を入れています。

主催者からの挨拶

本学に着任して感じたことは、小さい大学ながらも、非常に多様な人材で教養教育センターが成り立っていることです。ただ、同じ組織であっても専門分野が異なると、日常的な交流はどうしても希薄になりがちです。同僚がどのような研究をしているのかを知る機会は、それほど多くはありませんでした。そこで2019年に、お互いの研究紹介と交流を兼ねて、「教養セミナー」と題した集会をスタートしました。

その後、「研究談話会」と名を変えて、年に数回の頻度で同様の集会を続けています。教養教育=Liberal Artsとは、本来「一市民として身につけるべき術」のことです。教養教育を担う我々には、新しく大学生になった若者に、社会を生き抜く力(人間力)を伝える義務があります。そのためには、まず我々自身の人間力を高める必要があります。この「研究談話会」が、そのような機会の一助となれば幸いです。

第12回目

令和5年12月14日(木)
中央棟N-212講義室

野菜と果物栽培で幸せに?―ドイツとオーストリアにおける食に関する文化遺産とまちづくりについて―

ドイツ民俗学・経験文化学

金城朱美 准教授

ドイツとオーストリアでは、食に関する文化遺産がまちづくりに活かされており、人びとの幸福に貢献している。まず食に関する文化遺産の特徴を明らかにし、ドイツとオーストリアの事例をもとに、なぜそのような取り組みが可能であるのか考察したい。また、現在取り組んでいる幸福研究について紹介します。

第11回目

令和5年11月9日(木)
中央棟N-211講義室

木星表面にある大赤斑の長寿命性に関する数理物理的考察

理論物理学

戸田晃一 教授

私の研究分野は「数理物理(学)」です。まずは,これまでの私の研究を紹介することで,「数理物理(学)」とは何かを簡単に説明します。次に,最近の研究成果の内で,木星表面にある大赤斑の安定性(長寿命)の問題に対する深層学習を利用した数理物理的考察を,なるべく数理的に難しい部分には触れずに紹介します。

第10回目

令和5年7月13日(木)
本部棟N-208講義室

筋出力の調節機構と筋細胞の組織化学的特性

運動生理学

岡本啓 講師

骨格筋の収縮は運動神経の調節を受けています。筋-神経系の調節の仕組みと、筋細胞の収縮特性を組織化学的手法によって分別する方法を紹介します。

第9回目

令和5年4月4日(火)
本部棟L204講義室

遺伝情報はメタファーか

科学哲学

石田知子 講師

「生物学の哲学」とは、生物学の理論や概念を分析する哲学の一分野です。本セミナーでは、科学におけるメタファー(暗喩)の役割の考察を通じて、遺伝情報概念を哲学的に分析します。生物学を哲学するとはどういったことなのか、一つの事例を示せたらと思います。

第8回目

令和4年12月1日(木)
中央棟N-208講義室

音声言語に見られる諸現象 ー非流暢性と個人内音声バリエーションー

言語学

モクタリ明子 講師

音声言語を観察してみると、空気すすり、りきみ、イントネーションの変化など、言語情報以外にも私たちは様々な方法で発話行為を行っていることが分かります。その中から、私は非流暢性と個人内音声バリエーションを対象に研究しています。自然に言い淀む合成音声や、日本語社会に見られるキャラなどについて発表します。

第7回目

令和4年7月14日(木)
教養学科会議室(本部棟5F 506)

植物の種多様化メカニズムを探る ーダイモンジソウをモデルにした適応進化研究ー

進化生物学

孫田佳奈 助教

地球上の生物はどのように多様化してきたのでしょうか?一つには、新しい環境への進化と適応が鍵であると考えられています。植物の適応進化メカニズムを明らかにするために、私は日本列島内で多数の変異を示すダイモンジソウを対象に研究を進めています。これまでの研究からわかってきた、ダイモンジソウの奇妙な進化プロセスをご紹介します。

第6回目

令和4年5月12日(木)
教養教育センター会議室(本部棟5F 506)

視覚心理学はどんなことをやっているのか?

実験心理学

井戸啓介 講師

心理学の一分野である「感覚・知覚心理学」では、環境世界の物理的な情報と人間の「感覚」がどのような関係性を持っているのか、その特性やメカニズムの解明を目指しています。今回のセミナーでは視覚、とくに「動き」「かたち」「色」の知覚といった題材について、実験手法の原理(道具立て)から、錯視などの諸現象の要因、また脳神経科学との関連などについてお話します。

第5回目

令和3年12月2日(木)
教養学科会議室(本部棟5F 506)

ニュートリノ、宇宙を語る

素粒子物理学理論

石田裕之 准教授

なぜ我々の宇宙は今のような発展をしたのか?
この問いに答えるためには、宇宙のごく初期にまで遡る必要があります。さらに、ニュートリノという素粒子が鍵になっているかもしれません。富山に身近な(?)素粒子であるニュートリノと初期宇宙の現象について、最近の研究もふまえてご紹介します。

第4回目

令和元年10月31日(木)
教養学科会議室(本部棟5F 506)

色素の利用

有機化学

川端繁樹 准教授

血液中のヘムも、光合成色素のクロロフィルも、CD-Rの記録面も、似た骨格の化合物でできています。こうした色素がどのように利用され、また医療面に応用されているかをお話しします。

介護予防による健康寿命の延伸

健康科学

上村一貴 講師

高齢者の要介護(寝たきり)状態の予防には、身体活動や食習慣のようなライフスタイルがカギとなります。高齢者の健康づくり力を育て、ライフスタイルを変容させるための介入や、地域での取り組みについてご紹介します。

第3回目

令和元年7月11日(木)
教養学科会議室(本部棟5F 506)

腸内フローラと健康

生物学

古澤之裕 講師

ゾウのような大きな動物から土の中にいるような小さな細菌も含め、生きものはいずれも「細胞」という構成単位で成り立っています。みなさんのカラダは約37兆5千億個もの細胞が集まってできていますが、実はお腹の中にはそれを遥かに超える約100兆個もの細胞(細菌)がいることをご存知でしょうか?腸の中に多種多様に棲息する細菌の姿は花畑に例えて「腸内フローラ」と呼ばれ、私たちの健康と密接に関わっていることが次々と明らかになり注目を集めています。本セミナーでは、私たちが進めて来た研究についても一部紹介しながら、腸内細菌に関する最近の話題を提供したいと思います。

ソリュウシ言えるかな?

素粒子物理学理論

杉山弘晃 准教授

どんなものでも細かく分解していくと、
最終的には「素粒子」と呼ばれる最小の材料に行きつきます。
その「素粒子」の種類や性質について
どのようなことが分かっているかを簡単にお話します。

第2回目

平成31年5月9日(木)
教養学科会議室(本部棟5F 506)

物の性質は何で決まるか?

物性物理(実験)

谷田博司 准教授

世の中には数多の物質・材料があり、その性質は実に様々です。では、何がその多様性を生み出しているのでしょうか。「固体物理」という学問の観点からその起源に迫るとともに、最近のトピックスについて紹介します。

リン原子の特性を利用した分子集合体の構築法

有機化学

山村正樹 准教授

曲面構造をもつ分子の凹凸を利用することで、分子を積み木のように集積させることができると期待されます。平面構造をとりにくいリン原子を利用することで、曲面構造をもつ分子の開発とその分子集積体の構築法を紹介します。

第1回目

平成31年1月24日(木)
教養学科会議室(本部棟5F 506)

アジア東部と北米東部に隔離分離するモクレン科植物の系統地理・分類学的研究

植物学

鈴木浩司 准教授

超音波が誘起する電子格子相互作用の理論研究

物性物理(理論)

三本啓輔 准教授